2024-08-18

【A MACHINE】2024AW 1st delivery

こんにちは

いかがお過ごしでしょうか。

愛知県岡崎市にてセレクトショップ「abundantism」をしております、樋口と申します。

まずは余談から。

A MACHINEを含め、新しいブランドさんを取り扱いはじめてから、ここ最近有難いことにお客様が増えて参りました。

それと比例するようにやはり商品について求められることも増えまして。

しかし僕も小心者なので笑、大量に仕入れることはせずワンシーズンでセールせず(価値を下げず)売り切れる量を見ながらバイイングしています。

ただそんな僕でも

「いやいや、もう少し挑戦した量を仕入れてもいいんじゃないか!?

お客様の期待には応えたいよな!?」

と、最近ふつふつと燃えています。

では、果たしてどのくらいの計算で仕入れるのか、、、。

ムズイ、、、笑

ということで、僕の専門学校時代に先生でもあり、現役のショップ店長である恩師 榊原先生の元を訪ねることに!!

ファミマで話してたわけではないですが。笑

先生がどこのショップの店長さんかは、あえて伏せときますね。

気になる方は店頭にて。

先生がメンズアパレルの世界へ入った時、こんな事を言われたそうです。

「路面でメンズ?ぜったい売れんぞ。」

その言葉への反骨精神で

先生は日々の積み重ねにより、圧倒的な数字を叩き出しました。

そんな先生の授業は当時からとても面白く、現場のリアルをいつも聞かせてくれました。

卒業して8年経ちますがまだまだ交流はあり

先日夕方に、「相談があります!」と連絡したら

先生 「じゃあ今日の夜はどう!?」

と、早すぎる展開に少々戸惑いました。笑

これなんですよ。笑(画像は全く関係ない)

このスピード感。

やっぱさすがだなぁ、、、笑

と、思いながらお会いし、たくさんお話しをさせて頂きました。

経験談による成功例や失敗例を教えて下さり

とても有難い時間でした。

困った時に相談できる方がいることに、とても有り難く思えます。

そしてやっぱりスピード感が大事。

思ったら即行動。

考えこむよりも、行動行動行動。

そしていつもよりバイイングの量を増やす時は

「気合い!!!!」

らしいです。笑

売り切ればお店は潰れない。だから気合い。(もちろん他にもありますが笑)

これだけやってる人が回り回って、最終的にはやっぱ気合い。笑

すげーー説得力がある。笑

それを踏まえて、これからのバイイングも頑張りますので、皆様、期待していて下さい!笑

えいえいおーー!

すいません、前置きがとても長くなってしまいました。

さて、今シーズンの

A MACHINE 2024AW  はそんな過去の売れ行きやデータを研究し生み出されたコレクションです。

果たしてそれはどういう意味なのか、探っていきましょう。

このブログでは、まず

1st delivery

からのご紹介です。

A MACHINEから三枚の紙が届きました。

まずはこちらをお読みください。

ー以下、ブランドより-

本コレクションの制作は、2010年のアメリカのメディア理論家のポストを起点としました。

“The 19th century culture was defined by the nove,
the 20th century culture was defined by the cinema,
and the culture of the 21st century will be defined by the interface.”


“19世紀文化は小説により定義され、20世紀文化は映画により定義され
21世紀文化はインターフェースによって定義されるだろう”



2024年現在、ファストファッションを始め、アパレル分野もAIによるトレンド予測やマーケティング、広告宣伝などの幅広い分野に活用され、データに基づいた高いサステナビリティーと利益の向上を実現しています。


またサプライチェーンの発展により年を追うごとに生産効率が大幅に上がり、ここ数年でアパレル業界の構造は大きく変化しました。


ラグジュアリーブランドやファストファッションに位置付けのない我々のようなブランドは世の中の変化に影響は受けることはありますが、我々自身がそれに呼応するほど遷移していないように思います。


それは我々のようなブランドは、デザイナー自身の体験にデザインが大きく左右される点や
大衆的に身につけやすく安価な洋服を作ることが主要な目的ではない点などを鑑みてAIを導入するに至らないように思いますが、AIに頼りたくないという人間的自主性が要因であるように思います。

前者と後者で目的は大きく違いますが、余剰在庫を出さないなどの過程には共通点がいくつかあります。

本コレクションはこれまで感覚的に行い閑却していた過程を再考し、主題としました。


AIによる変化を手法と捉え、これまでの経験をデータ、自らをシステム化することでコンセプトに位置付けました。

-以上-

そしてそれに加え、もう二枚の紙が届きました。

(が、こちらは店頭のみでの公開となっております)

この用紙に何が書いあるかというと

過去の11シーズンの中で製作した100品番を数値化し、コレクションに良い影響を与えた上位30品番の特徴的要素をNO.1~NO.30 までが記載されています。

例えば、shirt/hoodie/melton/curve   とか要素だけです。

その要素と要素を組み合わせることで、何が生まれるかというアプローチなんです。

(僕なりの解釈は後の方に書きますね)

そしてその数値をここでは

PCAS metrics

(Point of Contact with A MACHINE and Society metrics)

と呼称します。

今シーズンのメインヴィジュアルにもなっているこちら。

これは何のかというと

PCASの数値を可視化するために、数値の数だけ青のパネルを組み合わせたて作られたオブジェです。

いかがでしょう、なんとなく全容が分かってきたんじゃないかなと思います。

そして今回の下げ札はこんなにもビッグサイズ。

PCASの30カテゴリーが全て記載してあります。

【せっかくなので下げ札の解説】

裏テーマは、捨てられない下げ札

印刷できる最厚のDKスノー730gと言う厚紙を片面印刷後に2枚接着。

紙の世界は詳しくありませんが、スノボの技みたいな羅列です。笑

アパレル史上一番デカい下げ札な気がします。笑

少なくとも僕が今まで見た中では一番デカいです。

一見商品とは関係ない下げ札や品質表示タグ、靴の箱とかね。

服づくりをすると実感するんですが意外とお金かかるんです。

けどお客様からすると商品代には入ってない感覚なので価値が伝わりづらい。笑

この下げ札もなかなかにお金がかかっているそうです、、、。笑

そんな部分にもこだわり、僕らお店やお客様を楽しませようとしてくださるこの姿勢が

デザイナーの気概を感じます。

細部まで理由をもってこだわってくださると我々、伝え手としては黙ってられないというか

これは伝えずにはおられんのですね。笑

ほんとに伝え甲斐のあるブランドさんです。

是非ともこの下げ札は家に飾ってほしいです!

もしくは本のしおりでもいいかもしれません!笑

でか。

冗談はさておき、今からは商品ラインナップに迫っていこうと思います。

【アイテムラインナップ】

【A MACHINE】

24-NRS

not reversible shirt    size 2

¥36,300

【size】 着丈:66.5 肩幅:45.5 袖丈:65.5 身幅:55.5 裾幅:42.0

このシャツは、

On reverse × Shirt

組み合わせています。

近くの手芸屋さんで売ってそうなファンシーなプリント生地。

その生地をreverse(裏返し)して使ってるんです。

リバースすることで、すりガラスに透けたような淡さで柄が浮かび上がり

ファンシーでキュートな幼稚園児の上靴入れで使ってそうな生地から

ファッションという領域に昇華されています。

一気に着たくなる。

裏話としては、著作権のないキャラクター柄を探すのに苦労したそうです。

言われてみればありそうでない生地。

かつ、配色や発色が絶妙。

この絵柄は七色くらいをシルクスクリーン印刷しているらしく

意外と手間のかかっている代物。

さらにですね、対比を生み出すために

ものすごく縫製技術の高い工場で仕立てています。

細部の襟やカフスを見るとそのその美しさが歴然です。

対比として古着のジャケットの縫製を並べてみました。(ごめんねジャケット笑)

美しい縫製って当たり前だと思われがちでわかりづらいと思うのであえて比較です。

これは極端で、60~70年代のジャケットでハンドメイドっぽいので雑味があって当然ですが

こんなに違います。

特にシャツの襟の曲線は職人技なので、A MACHINEのシャツは相当に綺麗です。

着るとこんな感じ。

size2

160㎝ 着用

単体で見るのと、着るのでは相当に雰囲気が違うと思います。

正直ファンシーさは微塵もなく、かっけぇ柄シャツ着てるなって感じに見えると思います。

今回はスラックスで合わせてみました。

まぁもちろん何色でも合うんですが、今回はシックな配色のボトム

合わせてるスラックスはこちら。

シルク、ポリの素材でこのシワ感、質感がとてもいいイタリアの古着です。

古着屋の視点から見ると、このPRENTICEジップはGucciなどでも使われていた

隠れた名ファスナーです。

このファスナーを使ったシルクのパンツということは、元々の作りこみの良さが
推測できます。

スラックス自体は73年製のものです。

今から50年以上も前。

うちの店としては市場で評価されていない、ファッションとしておもしろい古着を
集めてたいと思っています。

そんなアイテムとA MACHINEのようなデザイナーズとスタイリングしてほしいです。

先入観なく、偏りなく、フラットに、共通点は 服。

余計な知識がなかった頃のように、純粋に服を楽しみたいものです。

とはいえ仕事柄、めっちゃ解説しちゃうんですが。笑

あくまでも一つの楽しみ方として聞いてくださいね。

ファッションやアートには正解がないからずっと楽しいので。

続いてはセーター。

今シーズンのコレクションは

写真と動画にてLOOKを発表するようで

1st delivery の今回はまずは写真です。

こちらは

Sweater × ♡♢♧♤

【A MACHINE】

24-TS trump sweater / size 3
¥44,000


【quality】 wool:100%

【size】 着丈:66.5 肩幅:45.5 袖丈:65.5 身幅:55.5 裾幅:42.0

レイヤードするとクローバーが出現します。

ちなみにトランプというキーワードは

以前のコレクションでパンツが出ていました。確か。

そのコレクションを見て「A MACHINEてなんなんだ!?」

と思ったのを覚えています。

実あ至る所にトランプが隠れています。

タグの付け方には♢

袖のリブには♤の先でしょうか。

付属でハートのバッジも付いてきます。2個!!

2つを合わせるのもアリです。

一応自撮り。笑

いらんか。笑

撮る場所変えてみる。

サイズ3(一番大きい)をオーダーしたので、腕は溜めてほしいなと。

横から見ると前はショート丈のセーターみたいな感じです。

前にリブがないので

後ろのリブが機能せず、写真のように落ちます。

トランプという起点からセーターというキャンバスへの落とし込み方が秀逸です。

以上、こちらの2型含め

A MACHINEのオンライン販売はDMのみとさせて頂きます。

お問合せお待ちしております。

詳しい理由などはオンラインストアに掲載しておりますので

ご参考にしてくださいまし。

【私的考察

今回のコレクション、ブランドからのテキストやアプローチを見ると

今まで作ってきたA MACHINEのコレクションの集大成というか

一番売れたモノや利益率が高いもので作ったコレクションはビジネスとしても

成り立つ。みたいな

そんな解釈に取られるかもしれませんが僕としては、そんな思考に陥っている

ものづくり業界への皮肉にも思えます。

トランプのセーターなんて、クローバー型の始末なんてとても職人泣かせですし

下げ札だって、とてもお金がかかっている。

AIを使ったり、売れ行きから計算しマーチャンダイズ(商品企画)された現代のものづくりもあるけれど、それよりも人が考え、試行を巡らせ生み出したものにこそ本質がある。

そんなことを考えさせるコレクションにも捉えることが出来ました。

ファッションではデザインと呼びますが、

これはアートのような問題定義にも思えます。

そんな側面をも匂わせるデザイナーの思考がとても面白いブランドです。

我々としてもそんなブランドを伝えたいです。

こうして服をずっと見ていると、売れることを考えたブランドやものづくりはほんとにおもしろくなく

取り扱いをやめたこともありました。

あのマルジェラだって、マルタン本人の手元を離れてからは、本来の姿を失っているように思えます。

(ジョンガリアーノのマルジェラを否定しているわけではない)

ビジネスとものづくりの本質・クリエイティブな部分は相反するところにあるので

交わり、両立することは難しいです。

まぁ、こんな話はどの時代も尽きない話ですが

最近、お世話になっているグラフィックデザイナーさんと話す機会があって

この話になったんですが、

デザイナー「それは変わっていっていいよ。その時大事にしている割合に従えばいい。
ビジネス40% クリエイティブ60% とかね。その時々で価値観て変わってもいいから
今大事にしたいものを大事にすればいいんじゃない?」

と。

デザイナーさんはもうすぐ50歳。

そんな大ベテランがいうってことはこれがリアルなんでしょう。きっと。

僕自身もクリエイティブとビジネスが交差するこの業界にいますが

その時々で考えた大切にしたいものに忠実に柔軟に変化していこうと思います。

ではでは、長くなりましたがぜひ店頭にてじっくりご覧頂ければと思います。

【2nd deliveryについて

2nd delivery は9月初旬ごろから発売の予定です。

上のジャケットや手袋、首の飛び道具までいろいろとありますので

オタノスミニ!!

最後までご覧いただきまして、ありがとうございます。

それではまた~

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【abundantism】

▶︎オンラインショップはこちらからhttps://abundantism.stores.jp/

▶︎アバンHPhttps://abundantism.com/

▶︎Instagram→ https://instagram.com/abundantism_sho…

ひぐちさん→ https://instagram.com/onu___higuchi?i…

愛知県岡崎市籠田町13

【Google map】abundantism アバンダンティズムhttps://goo.gl/maps/8uYkmF4on2cHkP8Z7

タグ: abundantismvintage clothing

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