2025-03-25

【A MACHINE】マグリットの作業着

こんにちは

いかがお過ごしでしょうか。

愛知県岡崎市にてセレクトショップ

「abundantism」をしております、樋口と申します。

いよいよA MACHINE 25SS

ラインナップが全て揃いました!

その中から今回は目玉的存在? のツナギを

ご紹介しますね。

(※長いです)

【A MACHINE】

25- MAGRITTE SUIT COVERALL /navy

¥132,000 税込

model:176㎝ 60㎏

size 2 着用

サイズは

〜170がsize 1

171〜 サイズ2

というイメージです。

あとはどう着こなしたいか。

さて、つなぎについていろいろ話したいところですが、これの話をするにはまずは今回の起点について少し触れておきましょう。

今回のコレクションの起点

というように

今回のコレクションでは

現代のデザインとなっている

ルーツを遡り

違うモチーフを設定し

新たな機能を装飾として作り出していく

仮説実証的なコレクションです。

【マグリットのユニフォーム】

では、このツナギがなんのモチーフか。

こちらは

ベルギーが誇るシュルレアリスムを代表とするアーティスト「René Magritte (ルネ・マグリット)」を起点とした機能のツナギ。

引用:https://www.artpedia.asia/magritte-the-son-of-man/

アバンに以前から来ていた方で

店内にこの魚人の置物があったのは覚えてらっしゃいますでしょうか。

ほんとはこれは絵画なんですが

この作品を描いたのがマグリットです。

ベルギーにて、ベルギー王立美術館のマグリットミュージアムショップへ行った時の写真

2023年10月にヨーロッパを回って買い付けていた時に訪れました。

ほんとはベルギー王立美術館の一つである、マグリット美術館に行きたかったのですが、あいにくこの時期は改装中で叶いませんでした、、オーマイ。

そんなマグリットは絵画を描く際に

ユニフォームとしてスーツにタイドアップで絵を描いていたそうです。

だから今回はウールポリのスーツ生地で

ワーク(作業) =ツナギ というこのアイテムが生まれました。

スーツで絵を描く画家は多いらしく

身を引き締めるため、そのルーツなど人によって様々ですが

調べたところ

マグリットの父親が仕立て屋と帽子屋を経営していたことも由来するのかと個人的には思いました。

マグリットの作品に出てくる

山高帽はまさに父親の影響。

ベルギーで買った

1959年「ピレネーの城」の靴下。

マグリットはシュルレアリスムという

絵画様式(運動)に後半から注力し

独自の表現を確立しました。

ここに行き着くまでには、印象派もキュビズムもピュリズムもいろいろ通ってきたそうです。

そして晩年にようやくシュルレアリスムの表現思考で認められました。

引用:https://www.artpedia.asia/magritte-the-treachery-of-images/

1929年『これはパイプではない』

パイプではあるのですが

あくまでも絵であって本物のパイプではない。

” パイプ ” というのはなにをもってしてパイプと呼ぶのか。

見た目がパイプなのか

葉が詰められればパイプなのか

吸うことができればパイプなのか

パイプの本質とはなんなのか

マグリットは絵画を通して

哲学的に説いています。

僕はこのような考え方が

うちのお店のスタイルにも重なるように考えていて

世の中の

ヴィンテージ 、年代もの、ブランド

なにがファッションとして

楽しいのか豊かなのか

本質を探りながらどう提案すべきか

そんなことを考えながらお店を

やっています。

「人の子」

コートを着たタイドアップと山高帽の男性の顔を青リンゴが覆います。

この作品についてマグリットは

「顔があることはわかりますが、リンゴがそれを覆っているため、完全には見ることができません。私たちが何かを見るとき、同時に別のものが隠されてしまうのです。私たちはいつも、見えないものや隠されたものに関心を抱きます。この興味は強い感情となり、見えるものと見えないものの間に葛藤を生み出します。」

と語っています。

この作品には他にもこんな考えも。

どこにでもいそうなコートの男性

仕事のための量産型の服装。

顔を隠せばどこの誰なのかもわからない。

人それぞれ個性があるはずなのに

顔だけ隠すとそれがわからない。

このことの気持ち悪さ

不思議、不気味さ。

ただマグリットは

” 風刺 ” としてこれを描いているわけではないと思うのです。

正解とか間違いとか、そういうことではなく

この不気味さや不思議な感覚を

表現し、見る側に問いかける。

答えのない見方ができるのも

マグリットの表現に共感できるポイントです。(恐縮ですが)

マグリットに関する話が長くなってしまいましたが、そんなところに我々は以前からマグリットに惹かれておりました。

そしたらなんと A MACHINE の展示会に行ったらマグリットをモチーフにした服がある!?

やっとこの伏線が回収できるじゃないか、、笑

これは完全にうちの仕事だ。

確信できました。

マグリットが絵を描くためにユニフォームとしたスーツ。

ならばこのスーツがデザインの起点になってもいいんじゃないかという今回の服作り。

僕自身も10年ぶりくらいにツナギを買いました。笑

こんなに高揚感のあるツナギは久しぶりです。

ツナギはどうしてもカジュアル見えしますが

スーツ生地でやっているからこその

エレガント(スーツ)とワーク 対局の合わせだからこそ品のある着こなしもできます。

確かに値段はしますが

服好きたるもの、こういうものにお金をかけていきたいものです。

そしてこのペイントは

マグリットの作品から色を抽出し

A MACHINEのデザイナー自ら

ペイントしています。

ちなみにマグリットはかなりの綺麗好きだったそうで、絵の具を服につけたり、床を汚したりしたことはなかったそう。笑

だから今回は”飛んだ!”っていう仮説なのが楽しいポイント。

引用:https://www.artpedia.asia/the-collective-invention/

このペイントがなんの作品なのか

公言されていませんが

個人的には

この「共同開発」

なんじゃないかなぁ、、、と睨んでます。

ちなみにもっと詳しく

マグリットについて知りたい方は

上の「共同開発」のリンクに飛んでみて下さい。

一番解説がわかりやすくて、詳しかったと思います。

山田五郎さんのYouTube「オトナの教養講座」もいいですよ。

偏ってますが笑

というわけでこんな心踊るツナギはないでしょう。

さらに機能として言えば

スーツ地で薄手なので

巻きやすいんです。

だからパンツとしてもとても優秀。

ウール×ポリなので全然シワにならないですし

ちゃんと作業をする機能性も兼ね備えています。

ちょっとムダ話が多かったですが

僕らがなぜこれをこんなに推すのか

届いたら幸いです。

オンラインストアには採寸などの詳細も載っています。

オンラインでのご注文は

インスタグラムのDMからお待ちしております!

では、次回のブログで!

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